脳卒中|頭痛・認知症もりた脳神経クリニック|神戸市東灘区の脳神経外科

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脳卒中

脳卒中|頭痛・認知症もりた脳神経クリニック|神戸市東灘区の脳神経外科

脳卒中とは

脳卒中は突然発症する脳血管の病気です。医学用語では脳血管障害と言います。

次のような症状が突然出現した場合は、脳卒中が疑われます。

  • 片側の手足に力が入らない
  • 片側の手足の感覚がない
  • ろれつがまわらない、言葉が出ない
  • 目線が合わず意識が混濁している
  • 突然の頭痛、後頸部痛
  • めまい、ふらつき
  • 嘔気・嘔吐

脳神経は一度損傷すると回復が難しいため、脳卒中を発症すると後遺症を残すことが多いです。

日本人では年間約27万人(2分に1人のペース!)が発症、10万人が命を落としているとされ、死因の第4位です。また、要介護の原因疾患第2位、特に要介護4-5(ほぼ寝たきり)の原因第1位で3割弱を占めるとされています。脳梗塞が75%, 脳出血が20%, くも膜下出血が5%とされています。(脳卒中データバンク2024)急性期治療やリハビリの進歩で予後改善はあるものの、脳梗塞では約半数、脳出血では8割程度が退院時要介護状態となっています。

脳卒中は発症予防が重要課題です。

脳卒中治療について

①予防

まずは脳卒中を発症させないことが重要です。高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の管理を行う他、禁煙、節酒、体重管理、運動習慣なども重要です。脈の乱れがある方は心電図を確認し心房細動がないかチェックしておくと良いでしょう。最近では心原性脳梗塞の主な原因である「心房細動」に対するカテーテルアブレーションや左心耳閉鎖術などの治療もあります。高度の頚動脈狭窄がある場合はステント留置術や頚動脈内膜剥離術といった手術が必要な場合もあります。当院では頚動脈エコー検査、採血、心電図などを用いて血管リスクを評価し、適切な対処方法の指導を行っています。また、健康診断にも対応しておりますので、ご相談ください。

②急性期

脳卒中を疑う症状(片麻痺、言語障害など)が明らかであれば救急車を呼んで脳神経外科のある病院に搬送してもらうことが必要です。脳梗塞では治療の遅れが予後の悪化につながりますし、脳出血やくも膜下出血であった場合は出血拡大や再破裂は生命に関わります。

症状が比較的軽微で救急車を呼ぶか迷う場合は、当院へご相談ください。当院ではバイタルサインの確認、神経学的診察とCTでの迅速なスクリーニングを行い、追加精査が必要と判断された場合は24時間体制で診療を行う脳卒中センターと連携し治療に当たります。

③再発予防

脳卒中を一度起こした方は再発する可能性が高いため、厳格な生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)の管理が必要です。また、脳梗塞の場合はいわゆる血液をさらさらにする薬である抗血栓薬(抗血小板薬・抗凝固薬)の内服を行います。抗血栓薬は脳梗塞の病態に応じて選択され、時に2剤併用が必要な場合もあります。一方で漫然と2剤併用が継続されているケースもあるため、必要なければ1剤に減量する判断も必要です。抗血小板薬2剤や抗血小板薬と抗凝固薬の併用は出血リスクを高めてしまうこともあるからです。脳出血は飲酒量に比例して発症頻度が高まるため、基本的に禁酒を指示します。急性期病院で脳出血の原因処理(摘出、塞栓、放射線治療など)を受けた後は基本的には血圧管理となります。くも膜下出血では水頭症症状(認知機能低下、歩行障害、排尿障害)の出現にも注意をして経過観察します。

④ リハビリテーション

脳神経は一度損傷すると回復が難しいという特徴があります。従って、脳卒中で一度手足が動かなくなると回復が難しいと言えます。

ただ、脳神経には神経可塑性というものがあり、特に最初の3ヶ月リハビリテーションを行う事で機能回復に期待出来ます。

リハビリ専門職の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が治療に当たります。

また、同じ身体機能でも適切な機能訓練を受けたり、介護保険サービスを利用するなど環境調整を受ける事で、日常生活動作の改善や社会参加につながり、生活の質向上ができます。

当院では亜急性期〜生活期のリハビリテーションを担当しており、回復期病院へ転院せずに早期に自宅退院された患者さんや、脳卒中後特にフォローを受けていなかったが生活のしづらさが後になって感じるようになった方など様々な患者さんが通院されています。片麻痺や失語症などの分かりやすい障害はもちろん、高次脳機能障害に対するリハビリテーションにも対応しています。例えば復職してから新しいことを覚えづらい(記銘力障害)ことや、段取りの悪さ(遂行機能障害)を自覚したりして、発症後数年してから当院に相談に来られる方もいます。神経心理検査や頭部CTなどの画像検査を用いた病態把握を行い、診断書の発行やリハビリテーションに対応しています。

脳梗塞について

脳梗塞は脳血管が詰まり、脳が酸欠で壊死することにより生じます。急性期治療ではrt-PA(血栓溶解療法)やカテーテルによる血栓回収療法を行い、詰まった血管を再開通させます。治療のタイミングが早いほど脳の障害を防ぎ、後遺症を軽くすることができます。急性期治療後は脳梗塞の再発予防(2度目の脳梗塞を防ぐ治療)を行います。ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症の3つの病型が多いですが、2〜3割程度は原因がはっきりしません。病態に応じて抗血小板薬や抗凝固薬を内服し、エコーなどの画像検査で経過観察などを行います。また、高血圧、脂質異常症、糖尿病、心房細動などが原因となる可能性があり、これらの管理も行って行きます。

脳出血について

脳内の血管が破れて出血すると脳出血となります。血腫が大きくなると脳組織を圧迫し機能障害を引き起こし、生命の危険をもたらします。脳出血の急性期治療では、血腫の拡大を予防する治療や血腫除去術が行われますが、治療の効果は限られ、多くの場合後遺症を残します。従って、発症予防が重要であります。飲酒量の増加と高血圧は脳出血と関連があります。また、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、モヤモヤ病など特定の疾患が原因となる場合には手術が必要となる場合があります。時にてんかんを合併し、抗てんかん薬が必要となります。

くも膜下出血について

脳表の血管が破れて出血すると、くも膜下出血となります。致死率が高く、治療しても全体の1/3しか社会復帰できないと言われています。多くは「脳動脈瘤」と言われる血管のこぶが原因です。事前の検査で動脈瘤が分かっている場合は、開頭クリッピング術や血管内治療で破裂予防のための治療を行います。くも膜下出血が発症してしまった方は急性期病院で少なくとも3週間以上治療が必要な場合が多いです。高次脳機能障害が残存したり、水頭症でシャント手術が必要な場合もあります。当院ではくも膜下出血後の患者さんの経過観察やリハビリテーションが可能ですのでご相談ください。